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28話 神速の試し斬りと、甲冑の崩壊

작가: みみっく
last update 최신 업데이트: 2025-10-13 06:00:03

「じゃあ……実演販売ってことで……いきますよ」

 俺は剣を受け取り、軽く構えた。剣の重みが掌に心地よく馴染む。まるで、俺の一部であるかのように、自然に収まった。

シュシュシュ……

 流れるような剣捌きで、甲冑を正確に、そして素早く斬り刻んでいく。一振りごとに、甲冑の表面に閃光が走り、金属の破片が飛び散る。まるで、バターでも切るかのように、剣は甲冑を貫通し、次々とパーツが分離していく。その動きには一切の無駄がなく、流麗でさえあった。

ガラガラ……ガッシャーン!

 甲冑は原型を留めないほどにバラバラに斬り刻まれ、金属の残骸が音を立てて地面に崩れ落ちた。周囲からは、どよめきと感嘆の声、そして割れんばかりの歓声が上がった。冒険者や兵士たちは、その光景に息を呑み、まるで魔法でも見たかのように目を輝かせている。彼らの顔には、信じられないものを見たという驚きと、興奮が入り混じっていた。

「価格は高いですけど、見てもらえれば分かると思いますが、甲冑を斬っても刃は欠けていませんし、この様に甲冑も斬れる剣です。耐久性もあるので、モンスターと戦闘してて刃が欠けて命を落とすことも減りますよ」

 俺は剣を掲げ、その性能をアピールした。刀身は、先ほど甲冑を斬ったとは思えないほど、完璧な輝きを保っている。まるで、何事もなかったかのように、光を反射していた。

「俺は買うぞ!売ってくれ!」

 ギルマスが即座に購入を申し出た。その目には、本物の剣士の輝きが宿っている。彼の手は、剣を掴むように、震えていた。関係のない国王も数本買ってくれた。近衛兵のために買ってくれたのだろう。冒険者も数人買ってくれて、その表情は心底嬉しそうだ。上級の冒険者は、今まで満足する剣に出会えなかったのかもしれない。上級になれば、中級や上級のモンスター討伐の依頼が多くなるし、硬い装甲のモンスターも増える。お金は稼げていても、すぐに剣の刃が欠けたり折れたりして困っていたのだろう。

「ユウヤ様は、さすがですわねっ♪」

 ミリアは青く透き通ったキラキラした瞳で俺を見上げ、満面の笑みを浮かべた。その笑顔は、花が咲いたように明るい。俺への称賛の言葉が、その唇からこぼれ落ちる。

「あ、ありがと」

 俺は照れながら答えた。ミリアは、くるりと国王に振り向き、満面の笑顔で尋ねた。

「当然、武器の販売の許可も頂けるのですよね?」

 その声には、一切の疑いがなかった。許可されるのが当然だと言わんばかりの、強い自信が込められている。

「はい。も、もちろんのことです。わたくしも購入をさせて頂きましたし……」

 国王は苦笑しながらも、快く許可した。そうそう……アクセサリーの許可も貰わないと。

「あと、アクセサリーも売りたいんだけど、いいですかね?」

「はい。問題ありません」

 国王はあっさりと許可してくれた。アクセサリーは、高級品ではなく、普通の平民がオシャレでつけるような、シンプルなものを販売する予定だ。高級品を取り扱えば儲かるのは分かっているが、その分、面倒事も押し寄せてくる気がするからだ。

 ミリアが何かを思い出したのか、その笑顔がスーッと消え、ムッとした表情になって国王に文句を言い始めた。その青く透き通った瞳に、再び不満の光が宿る。

♢国王への苦言とミリアの主張

「薬屋をお願いしていたのに、こんなに大きなお店を用意されて、何をユウヤ様に売らせるおつもりだったのかしら?もしユウヤ様が武器やアクセサリーをお売りにならなかったら、どうなさるおつもりでしたの?」

 ミリアの声が、ぴんと張り詰めた糸のように響いた。その青く透き通った瞳は、まるで冬の湖面のように冷たく、国王を真っ直ぐに射抜いている。集まった兵士や貴族たちの間には、凍り付くような沈黙が広がった。俺は内心、額に冷や汗がにじむのを感じながら、「おいおい……皆の前で国王に文句を言わないであげてくれ」と、必死に心の中で叫んだ。

「大きな店舗であれば、きっと喜んでいただけると……そう思いまして」

 国王の声は、先ほどまでの威厳が嘘のようにか細く、肩をすぼめるようにうつむいた。その表情には、商売の素人が見当違いな気遣いをしてしまったことへの、純粋な戸惑いが浮かんでいた。確かに、駄菓子を売るのに体育館ほどの店舗を用意されたら、喜びよりも困惑が先に立つだろう。

「そのおかげで武器屋もできたんだから、それでいいんだって!」

 俺は慌ててミリアの肩に手を置き、軽く叩いてなだめるように口を挟んだ。ほんのりと温かい彼女の肩の感触に、少しだけ安堵する。

「そうですか……ですが、信頼できる従業員を用意していただきませんと困りますわ」

 ミリアは俺の言葉で一瞬落ち着いたものの、国王への要求の姿勢は崩さない。その声には、一切の妥協を許さない鋼のような意志が感じられた。

「は、はい。すぐに手配を……」

 国王は額の汗を手の甲で拭いながら、縋るように了承した。その焦りが、彼の立場がいかに危ういかを示していた。

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